浅草は下谷・本所・深川と並ぶ江戸東京の外郭を成す下町地域。古くから繁華街として栄えていたため、浅草観光ではレトロな風情や情緒を愉しむことができます。
年間3,000万人が訪れる都内最古のお寺「浅草寺」や「五重塔」、その山門にあたる「雷門」、参道の「仲見世通り商店街」は中でも人気が高い定番の観光スポットです。その他、明治~昭和の下町文化を愉しめる「浅草花やしき」「かっぱ橋道具街」「浅草演芸ホール」などはすべて浅草駅からの徒歩圏内です。
注意: 東京スカイツリーの最寄りは「押上駅」「東京スカイツリー駅」です。浅草駅から約1.2キロメートルで徒歩20分、浅草寺を観光したあとに歩いて向かうと少し疲れるかもしれません(公共交通機関情報は後述します)。
浅草寺を観光する
628年、飛鳥時代(推古天皇の時代)に創建されたという浅草寺。徳川家康が関ヶ原勝利を祈願したという逸話も残る、由緒正しい寺院です。
参拝ルートとして最初に訪れたいのが、中心に吊るされた大きな赤い提灯が目印の雷門。正式名称を「風雷神門」といい、火災や洪水などから浅草の街を守っているとされています。
雷門を抜けると本堂までの参道に仲見世通り商店街が続き、雷おこしや人形焼などの浅草名物や土産物屋などが立ち並びます。食べ歩きも可能で、散策しながらグルメを楽しむこともできます。
仲見世を抜けると宝蔵門が出迎え、その先はいよいよ浅草寺の境内エリア。ご本尊の「聖観世音菩薩」を奉安する浅草寺本堂や、高さ53メートル(20階建てのビル相当)を誇る五重塔は圧巻です。ほかにも重要文化財や国が指定する名勝がずらりと並ぶなど見どころが多く、三社祭で有名な浅草神社も浅草寺の敷地内に位置します。仲見世のお店巡りと合わせると2~3時間の余裕をもって観光したいところです。
【雷門】
・住所:東京都台東区浅草2丁目3−1
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:浅草寺公式サイト(雷門)
浅草のシンボルとして親しまれる雷門は、1960年から10年ごとに改修され、直近では2020年の東京オリパラに合わせて工事が行われました。中央の大きな提灯は松下幸之助氏の寄贈によるもの。
【仲見世商店街】
・住所:東京都台東区浅草1丁目36−3
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:仲見世公式サイト
仲見世商店街は日本最古の商店街のひとつと言われ、始まりは江戸時代(元禄・享保年代)とされています。長さ約250メートルに水茶屋や土産物店が立ち並び、浅草寺の参拝客で連日賑わいをみせています。
【宝蔵門】【五重塔】
・住所:東京都台東区浅草2丁目3−1
・地図:グーグルマップで位置を確認
仲見世通りの商店街を抜けた先にある宝蔵門。仁王像が安置されることから仁王門とも呼ばれます。
宝蔵門をくぐると、本堂の南西側に五重塔がそびえ立ち、宝蔵門と合わせて写真を撮ると映えます。
【浅草寺 本堂】
・住所:東京都台東区浅草1丁目36−3
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:浅草寺公式サイト(本堂)
本堂のご利益は「所願成就(願いが叶うこと)」。仕事、恋愛、病気の回復、交通安全など、さまざまな願いが成就するとされています。
童謡「鳩ぽっぽ」の作詞家の東くめ女史は、浅草寺の鳩と戯れる子供たちを同曲に描いたとされ、その歌碑が境内に祀られています。
【浅草神社】
・住所:東京都台東区浅草1丁目36−3
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:浅草神社公式サイト
三社様として親しまれる浅草神社。全国の観光客が訪れる例大祭「三社祭」は毎年5月に行われます。
明治の神仏分離により浅草寺とは別法人になったものですが、その経緯で浅草寺の敷地内に位置しています。
浅草の観光ベストスポット(その他)
浅草寺だけじゃない!東京の「下町文化」を色濃く残す浅草の魅力的な観光スポットをご紹介します。
家族連れやカップルに人気の浅草花やしきは日本最古の遊園地(1853年、幕末に開業)。レトロなアトラクションが多く、タイムスリップした感覚で歴史を感じながら楽しむことができます。
浅草寺から徒歩1分。入園料は大人1,200円、こども600円(2024年6月時点)。園内に軽食をとれるレストランやお土産ショップが充実しており、小さなお子様連れでも気軽に立ち寄ることができます。寺社観光のついでに足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
浅草花やしきから南に5分ほど足をのばすと、浅草演芸ホールに出会います。伝統的な寄席を楽しめる場所で、落語や漫才、講談など、さまざまな演芸が日替わりで上演されます。初心者でも楽しめるよう、分かりやすい演目が多いのも魅力で、観光で訪れる方にとって大江戸の魅力を存分に味わえる体験になるのではないでしょうか。
浅草公会堂の正面入り口前に足を向けるとそこには「スターの広場」が。浅草ゆかりの俳優、落語家、歌手など、大衆芸能の分野で多くの人々に愛され親しまれたスターたちの手形とサインが刻まれたプレートが埋め込まれ、現在(2024年現在)までに340名を超える芸能人の功績を称えています。
料理好の方にはかっぱ橋道具街がおすすめ。つくばエキスプレス「浅草駅」から上野方面(西側)に位置し、食器や調理器具、食品サンプルなどを扱う専門店が約170軒立ち並びます。プロ向けの業務用機器から、家庭用の食器や調理器具まで幅広い商品が揃っており、見るだけでも存分に楽しめることでしょう。日本の職人が手掛けた高品質な包丁などの調理器具は、海外からの観光客にも人気です。
【浅草花やしき】
・住所:東京都台東区浅草2丁目28−1
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:浅草花やしき 公式サイト
開園時間は10:00~18:00(天候や諸般の事情により変動します)、入園は閉演の30分前まで。
※動画は「ちーたん&なっちゃんこどものくにチャンネル」(youtube)
【浅草演芸ホール】
・住所:東京都台東区浅草1丁目43−12
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:浅草演芸ホール 公式サイト
特別興行の場合を除き、開演時間は昼の部 11:40~、夜の部 16:40~。落語のほか、漫才、漫談、マジック、曲芸、紙切り、粋曲、ものまね、コントなど1年365日公演しています。
チケット予約は原則として受け付けておらず、当日11:00~の現地販売のみ。
※動画は「春風亭一之輔チャンネル」(youtube)
【スターの広場】
・住所:東京都台東区浅草1丁目38−6
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:台東区立浅草公会堂「スターの広場」公式
渥美清、淡谷のり子、美空ひばり、三波春夫、三船敏郎、森繁久彌、島倉千代子、北島三郎、ビートたけし、大竹しのぶ、ナイツ‥昭和~現代の大スター、浅草芸能に貢献したスターたちの手形がずらりと並びます。日本の芸能史を感じられる観光スポットとして人気です。
【かっぱ橋道具街】
・住所:東京都台東区松が谷付近
・地図:グーグルマップで位置を確認
・ウェブサイト:かっぱ橋道具街 公式サイト
つくばエクスプレス「浅草駅」の西側に位置する、料理道具の専門店が集まるエリアです。プロのシェフから家庭の料理愛好家。観光客など多くの人々が訪れます。包丁や鍋、食器など、多種多様な料理道具が揃います。
【人力車】
【隅田川テラス】
ぜったい食べるべき浅草のグルメ&名産
ご当地グルメの食べ歩きやお土産選びは観光の醍醐味。これだけは押さえておきたい浅草観光の名物、名産をピックアップしてお届けします。
浅草の商店の歴史は江戸時代初期まで遡ります。浅草寺の参拝客で賑わう参道(雷門くぐった先の仲見世商店街)には甘味や伝統工芸品、和雑貨のお店が古くから立ち並び、明治以降には浅草に洋食店や喫茶店などの当時新しいお店が出店しました。伝統的な日本の雰囲気が楽しめる街として外国人観光客にも人気です。
日本橋魚河岸が近いことから、鰻、寿司、天ぷら、蕎麦などのグルメが下町グルメとして浅草の庶民に親しまれてきました。人形焼きや雷おこしなどの甘味もお土産に人気です。
【人形焼】
日本橋人形町が発祥とされる人形焼は、浅草に伝わり土地の名物となっています。ふんわりとした生地の中に、甘さ控えめの餡子がぎっしり詰まった味が老若男女に親しまれ、日持ちがするためお土産やプレゼントに最適です。
【雷おこし】
雷おこしは雷門近くに由来する浅草名物(”雷”は風神雷神から引用されたそうです)。江戸時代後期に瓦せんべいを焼いていた職人が、余った米を膨らませて菓子を作ったのが始まりと伝えられています。浅草寺を訪れる参拝客や観光客に長年愛されています。
【もんじゃ焼き】
月島発祥とされるもんじゃ焼きは浅草も本場のひとつ。昔の子供たちが鉄板の上に水で溶いた小麦粉で文字を書いて遊んでいたことから「もんじ焼き」と当時は呼ばれていたそうです。下町文化を感じさせる料理です。
【天ぷら】
浅草には数多くの老舗天ぷら屋が立ち並びます。江戸湾に面したことから、新鮮な魚介類が豊富に手に入り、魚介を美味しく食べられる料理として親しまれてきました。
※外部リンク:浅草 天ぷら -グーグルマップ
【かりんとう】
浅草の「かりんとう 小桜」は、銀座「たちばな」、湯島「花月」と並ぶ東京三大かりんとうの1つとされています。浅草寺から北側すぐの立地です。
【ホッピー通り】
お酒好きなら一度立ち寄りたい「浅草ホッピー通り」は浅草寺境内の西側に位置します。ホッピーと煮込み料理が名物で、昔懐かしい雰囲気の居酒屋が約100メートル続きます。
※外部リンク:昼から飲みたい!浅草ホッピー通りでおすすめはしご酒10選(RETRIP)